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年金=高齢になってから受給するもの、と思ってる方は多いと思います。もちろん、年金の中心は老齢年金であり、ほとんどの方の年金についての関心は、自分が高齢になったらいくら年金がもらえるのか?毎月保険料を支払っているけど将来それに見合う給付が果たして行われるのか?、というところだと思います。ただ、年金給付は老齢に関する給付だけではなく、障害死亡に対しても行われます。また、老齢・障害・死亡いずれの給付も、それぞれに受給するための要件が必要となります。

このページでは、年金の受給資格などの基礎的な解説、実際に受給できる年金額の一例、また、平成19年度より施行されている「離婚時の分割」などを取り上げていきたいと思います。


Q1 公的年金の種類

A1 公的年金の種類は以下の通りになります。

国民年金
(20歳以上60歳未満の自営業者やその配偶者、学生、厚生年金未加入のフリーターやパートの方などが加入します。)
厚生年金
(サラリーマンやOLの方、または一定以上の労働時間のフリーターの方、パートの方などが加入します。)
共済年金
(公務員の方が加入します。)

ただし、①②③はそれぞれ独立した年金制度というわけではありません。①の方は①のみ加入ですが、②や③の方は同時に①にも加入していることになります。

つまり、国民年金は全国民共通の基礎年金として存在し、受給資格についても国民年金の加入期間を基準に判断されます。



Q2 全国民共通の国民年金って?

A2 日本に住む20歳以上60歳未満の方は全員国民年金に加入しています。


国民年金は、日本に住む20歳以上60歳未満の方は全員加入義務があります。「年金は将来もらえるかどうか分からないから加入しない」という発想は成り立ちません。日本に住む限り20歳になったら自動的に国民年金に加入せざるをえない、ということです(国民年金保険料を支払わない人は単なる「未納者」であり、「加入者」であることには変わりありません)。

国民年金の加入者(被保険者)の種類には、以下のように3種類があります。

第1号被保険者・・日本に住む20歳以上60歳未満の第2号・第3号被保険者以外の方
(国民年金のみ加入)

第2号被保険者
・・厚生年金、共済年金に加入の方
(厚生年金または共済年金+国民年金に加入)

第3号被保険者
・・20歳以上60歳未満の第2号被保険者の被扶養配偶者
(国民年金のみ加入)

つまり、サラリーマンの方やOLの方あるいは公務員の方など、勤務先の被用者年金制度に加入している方は、厚生年金または共済年金の被保険者であると同時に国民年金の第2号被保険者でもあります。ただ国民年金保険料を別途に支払う必要はなく、給料から天引きされる厚生年金保険料や共済年金保険料によって国民年金保険料を支払ったことにしてくれています。また、第2号被保険者の被扶養配偶者は第3号被保険者として、年金保険料を支払う必要は一切ありません。まったく支払わなくとも国民年金保険料を支払ったことにしてくれています。つまり、国民年金保険料(平成21年度保険料は14,660円)の支払い義務があるのは、第1号被保険者のみとなります。

(例)
自営業者の妻→夫が第2号被保険者ではないので第11号被保険者となり、国民年金保険料の支払い義務が生じます。
失業中の方→第3号被保険者に該当しない限り第1号被保険者となり、国民年金保険料の支払い義務が生じます(ただし、保険料免除制度があります)。
20歳未満のサラリーマン→第2号被保険者として扱われます。
60歳~65歳未満のサラリーマン→第2号被保険者として扱われます。
65歳以上のサラリーマン→国民年金の被保険者とはなりません。ただし、老齢年金の受給資格を得ていない場合は引き続き第2号被保険者となります。



Q3 老齢年金は誰でももらえる?

A3 国民年金保険料を支払った期間等が原則25年以上必要です。

「老齢年金は国民年金保険料を支払った期間が25年以上必要」というと、ハードルが高そうに感じますが、まず、サラリーマンの方やOLの方あるいは公務員の方などは、単純に25年以上勤めれば受給資格が得られます。もちろん同じ職場である必要はなく、要は給料から厚生年金保険料(または共済年金保険料)が天引きされた期間が通算して25年以上あれば、そのまま国民年金保険料を支払った期間としてカウントされますので、文句なしに受給資格が得られます。サラリーマンの妻なども、被扶養配偶者である限り国民年金保険料を支払った期間としてカウントされます。つまり、専業主婦の立場を25年以上保てば受給資格を得ることができます。では、実際に国民年金保険料(平成21年度保険料は14,660円)の納付義務のある自営業者などはどうでしょう。

保険料納付済期間 → 実際に国民年金保険料を支払った期間
保険料免除期間 → 都合により保険料が支払えないことを承認された期間
合算対象期間 → 以前は支払義務のなかった期間など

上記①②③を併せて25年以上あれば受給資格を満たします。25年未満であれば老齢年金は原則1円も支給されません。また、国民年金から支給される老齢基礎年金は、20歳から60歳になるまで40年間かかさず保険料を支払った場合に年額で792,100円(平成21年度の額)支給されるものであり、25年ぎりぎりの場合は792,100円×(25年÷40年)≒495,100円しか支給されません。

②③について、もう少し詳しく説明したいと思います。

②の保険料免除期間について  
 ・重度の障害状態にある方は当然に保険料免除となります。
 ・保険料支払いが困難な方は申請により免除となります(以下の中から選択します)。
  「保険料全額免除」 「保険料4分の3免除」 
  「保険料半額免除」 「保険料4分の1免除」
 ・前年の収入が一定額以下の学生は申請により免除となります。
 ・前年の収入が一定額以下の20代の方は申請により免除となります。

保険料免除と「保険料未納」は決定的に違います。申請して免除承認されれば、上記の通り「受給資格期間の25年以上」にカウントされ、また将来の老齢年金の給付額に反映される場合もあります。しかし未納は未納でしかなく、そのまま放置しておくと将来年金を受け取ることはできません。

③の合算対象期間について
国民年金が誕生したのは昭和36年のことです。誕生してしばらくの間、国民年金は自営業者の方のみの年金として扱われ、サラリーマンの方は厚生年金、公務員の方は共済年金とそれぞれ独立した年金制度に加入していました。国民年金が全国民共通の基礎年金となったのは昭和61年からです。
つまり、昭和36年から昭和61年になるまでの間は、国民年金に加入している人もいれば加入していない人もいたわけです。サラリーマンの方や公務員の方などは国民年金に加入したくても加入できませんでした。しかしその期間についても、国民年金の保険料を支払ったものとして扱われます(「合算対象期間」ではなく「保険料納付済期間」として扱われます)。一方、専業主婦の方や学生の方などは加入してもいいし加入しなくてもいいという扱いでした。加入しなくてもいいと言われていたから加入しなかったのに、突然25年以上の保険料納付済期間が必要と言われても困ってしまいます。合算対象期間とは、このように国民年金への加入義務のなかった期間のこと等をいい、「受給資格期間の25年以上」にカウントされます。ただし、合算対象期間は将来の老齢基礎年金額に反映されません。例えば、昭和50年にサラリーマンの方と結婚して、以後60歳になるまでずっと専業主婦だった方(一度も国民年金保険料を支払ったことのない方)は、昭和50年~昭和61年3月までの期間が合算対象期間となり、昭和61年4月(国民年金が全国民共通の基礎年金となったとき)~60歳になるまでの期間は第3号被保険者として国民年金保険料納付済期間となります。つまり、この方は「受給資格期間の25年以上」は充分に満たしますが、老齢基礎年金額に反映される期間は、昭和61年4月~60歳になるまでの期間だけ、ということになります。

なお、「受給資格期間の25年以上」についてですが、昭和31年4月1日以前生まれの方は厚生年金や共済年金に通算して20年~24年加入していれば受給資格が得られます。また、昭和26年4月1日以前生まれの方で40歳以後(女性は35歳以後)厚生年金に15年~19年加入していれば同じく受給資格が得られます。



Q4 もらえる老齢年金の種類

A4 それぞれの年金制度からそれぞれの老齢年金が支給されます。  


老齢年金の支給内容は、加入していた年金制度によって以下の通りになります。

国民年金のみに加入
65歳から老齢基礎年金が支給されます。
厚生年金に加入
→生年月日によって
60歳~65歳から老齢厚生年金が、更に65歳から老齢基礎年金が支給されます。
共済年金に加入
→生年月日によって
60歳~65歳から退職共済年金が、更に65歳から老齢基礎年金が支給されます。


老齢基礎年金・老齢厚生年金・退職共済年金のいずれも、国民年金に加入していた期間が原則25年以上ないと支給されません(生年月日や加入していた年金制度によっては15年~24年で受給可能)。サラリーマンや公務員の方は、毎月天引きされる厚生年金保険料や共済年金保険料によって国民年金にも加入していることとされています。それによって老齢年金は2つの制度から支給を受けることになるわけです。
では、転職や退職を繰り返した方の場合はどうでしょうか。

(例)
23歳で大学卒業後に地方公務員となり30歳まで勤めたが退職、その後2年間定職に就かず、32歳から40歳まで一般企業に就職、その後家業を継ぎ60歳で引退した方の場合。なお、在学中は国民年金保険料免除、定職に就かなかった2年間については国民年金保険料を未納、家業を継ぎ自営業者だった間は国民年金保険料を全額支払ったものとします。
※現行の法令に従って考えます。
                        ↓
まず、大学在学中の期間についてですが、国民年金は20歳から加入義務があります。ただこの方は免除制度を利用したため国民年金保険料を支払う義務を免れていました(免除申請が承認されれば「受給資格期間の25年以上」にカウントされます)。23歳で公務員となり共済年金に加入します。共済年金に加入するということは国民年金にも加入するということですから、30歳までのおよそ7年間は国民年金保険料納付済期間としてカウントされます。その後の2年間は定職に就かず、国民年金保険料も未納していたわけですから、当然「受給資格期間の25年以上」にカウントされません。32歳から40歳までのおよそ8年間は一般企業に就職していたため厚生年金に加入します。厚生年金に加入するということは国民年金にも加入するということですから、この間は国民年金保険料納付済期間としてカウントされます。その後の自営業者の期間であるおよそ20年については、自営業者として国民年金保険料を支払ったため、当然国民年金保険料納付済期間となります。
                        ↓ 
(この方の国民年金加入期間)
大学在学中の3年+共済年金に加入していた7年+厚生年金に加入していた8年+国民年員保険料を支払った20年の合計
=38年
で、「受給資格期間の25年以上」を満たしています。
(この方に支給される老齢年金)
=35年分の老齢基礎年金+7年分の退職共済年金+8年分の老齢厚生年金
※大学在学中の3年間(国民年金保険料免除期間)については老齢年金額に反映されません。



Q5 老齢年金はいくらもらえる?

A5 加入期間や支払った保険料によって決定されます。


「受給資格期間の25年以上」を満たした方には全員、国民年金から老齢基礎年金が支給されます。老齢基礎年金の支給開始年齢は65歳です。次に、「受給資格期間の25年以上」の内、厚生年金や共済年金の加入期間がある場合は、その分、老齢厚生年金(厚生年金から支給)退職共済年金(共済年金から支給)が支給されます。老齢厚生年金や退職共済年金の支給開始年齢は生年月日によって変わります。昭和36年4月2日以降(女性の厚生年金加入期間については昭和41年4月2日以降)生まれの方は、65歳からの受給となります。

老齢基礎年金の額は、国民年金保険料を支払った月数によって決まります。老齢厚生年金や退職共済年金の額は、加入期間や現役時代の給料によって決まり、勤続年数が長い方や給料が高かった方には、それだけ高い額の年金が支給されます。「現役時代の給料」ですが、厳密には平均標準報酬月額(平成15年4月以降の期間については平均標準報酬額、つまり賞与も含めて判断)を用いて計算し、過去の標準報酬月額を現代の価値に置き換えて計算します。また、年金はその時代に適した支給額になることが望まれるため、原則毎年度、改定されます。
このように年金額の計算方法は非常に複雑な仕組みになっています。ここでは細かいことは置いておいて、例を挙げて説明していきたいと思います。なお、年金額はすべて平成20年度の額となります。

(例)
23歳で大学卒業後に一般企業に就職、60歳で定年退職(勤続37年)したAさんの老齢年金額。なお、在学中は国民年金保険料を納付しなかったものとします。

 Aさんの
 生年月日 ・・ 昭和23年8月20日
 平成15年3月までの厚生年金加入期間 ・・ 32年間(384ヶ月)
 平成15年3月までの平均標準報酬月額 ・・ 35万円
 平成15年4月以降の厚生年金加入期間 ・・ 5年間(60ヶ月)
 平成15年4月以降の平均標準報酬額 ・・ 50万円
 配偶者 ・・ 昭和27年生まれの妻
                       ↓             
①Aさんの年金加入履歴は以下の通りになります。
  23歳~60歳になるまでのおよそ37年間=国民年金+厚生年金に加入
                       ↓
②Aさんに支給される老齢年金の種類は以下の通りになります。
  60歳~63歳の間→
特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)が支給されます。
  64歳の間→
特別支給の老齢厚生年金(定額+報酬比例部分)が支給されます。
  65歳以降→
老齢基礎年金+老齢厚生年金が支給されます。
※老齢厚生年金は以前、60歳から支給されていました。法改正により、支給開始年齢が65歳に引き上げられたわけですが、例えばもうすぐ60歳になる方に対しても法律が変わったから後5年待てとはいえないので、現在、生年月日によって段階的に引き上げられている最中です。Aさんの生年月日だと上記のような支給内容になります。
                        ↓
③Aさんの
老齢基礎年金(国民年金から支給)の額を計算します。
20歳~60歳になるまで国民年金保険料を支払い続ければ、平成21年度では792,100円の老齢基礎年金が支給されます。国民年金保険料(平成21年度保険料は14,660円)を実際に支払う義務があるのは、自営業者などの国民年金第1号被保険者のみです。つまり、厚生年金や共済年金に加入している国民年金第2号被保険者の方は、毎月給料から天引きされる厚生年金保険料や共済年金保険料によって、国民年金保険料も支払ったことにしてくれています。また、第2号被保険者の被扶養配偶者である国民年金第3号被保険者の方も、国民年金保険料を支払うことなく、支払ったことにしてくれています(昭和61年4月以降の期間に限ります)。
Aさんは37年間国民年金に加入していたわけですから、老齢基礎年金の額はこうなります。
  792,100円×(444月÷480月)≒732,700円
                        ↓
④Aさんの60歳~64歳の間の
老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金)の額を計算します。
「特別支給の」とは、法改正により65歳からの支給となった老齢厚生年金を、その方の生年月日によって60歳~64歳の間から「特別に」支給する、という意味です。なお、昭和36年4月2日(女性は昭和41年4月2日)以降生まれの方には、特別支給の老齢厚生年金は支給されません。
特別支給の老齢厚生年金は定額部分と報酬比例部分の2つに分けられて計算されます。
  定額部分 ・・
  1,676円×厚生年金加入月数(444月)×0.985≒732,982円
  報酬比例部分 ・・
   イ. 35万円×0.75%×平成15年3月までの月数(384月)=1,008,000円
   ロ. 50万円×0.5769%×平成15年4月以降の月数(60月)=173,070円
  (イ+ロ)×1.031×0.985≒1,199,418円 
                        ↓
⑤Aさんの老齢年金の受給スタイルは以下の通りになります。
<60歳~63歳の間>
特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の1,199,400円が支給されます。
<64歳の間>
特別支給の老齢厚生年金(定額部分+報酬比例部分)の1,932,400円に配偶者加給年金額396,000円が加算され、2,328,400円が支給されます。
<65歳以降>
老齢基礎年金の732,700円+老齢厚生年金の1,199,700円(経過的加算額含む)+配偶者加給年金額396,000円≒2,328,400円が支給されます。
※妻が65歳に達すると配偶者加給年金額の支給はなくなります(代わりに妻自身の老齢基礎年金の支給が始
まります)。



Q6 障害年金の受給資格

A6 3つの要件を満たすことが必要です。

障害年金も老齢年金と同じく、加入している年金制度から支給されます。

国民年金のみに加入
障害基礎年金が支給されます。
厚生年金に加入
障害厚生年金が支給されます(障害等級1・2級の場合は障害基礎年金も併せて支給されます)。
共済年金に加入
障害共済年金が支給されます(障害等級1・2級の場合は障害基礎年金も併せて支給されます)。

ただし、支給を受けるには以下の3つの要件が必要になります。

初診日要件
障害の原因となるケガや病気について、初めて診療を受けた日にそれぞれの年金制度に加入していたことが要件となります(障害基礎年金については日本に住む60歳~64歳の方も支給対象となります)。例えば、サラリーマンとして20年勤務していたとしても、退職後に初診日がある場合には、障害基礎年金は支給されたとしても障害厚生年金は支給されません。

障害等級該当要件
障害基礎年金は障害等級第1級・第2級の方に支給され、障害厚生年金や障害共済年金は障害等級第1級・第2級・第3級の方に支給されます。公的年金における障害等級は、障害者手帳などの障害等級とは微妙に異なりますので注意が必要です。

保険料納付要件
国民年金は日本に住む20歳以上60歳未満の方は全員加入義務があります。障害年金は、この加入義務期間の内の3分の1以上年金保険料を未納していたら支給されません。例えば、40歳の方は加入義務期間がおよそ20年ということで、7年未納期間があれば障害年金の支給対象とはなりません。ただし、平成28年度までの特例として、初診日以前1年間に保険料未納期間がなければ支給対象として扱われます。



Q7 障害年金の支給額

A7 初診日に加入していた年金制度と障害等級によって変わります。

初診日に国民年金に加入していた方(つまりサラリーマン等ではなかった方)には障害基礎年金が支給され、年金額は障害等級により以下の通りになります。なお、年金額はすべて平成20年度の額となります。

障害等級第1級 → 
障害基礎年金(990,100円)
障害等級第2級 →
 障害基礎年金(792,100円)
※18歳の年度末までの子または20歳未満の一定の障害状態の子がいる場合は、該当する子が1人のときは227,900円、2人のときは455,800円、3人のときは531,700円が加算されます。

初診日に厚生年金または共済年金に加入していた方には
障害厚生年金または障害共済年金が支給されるとともに、障害等級第1級または第2級の方には併せて障害基礎年金も支給されます。

障害等第級1級 → 
障害厚生年金障害共済年金)+障害基礎年金(990,100円)
障害等級第2級 → 
障害厚生年金障害共済年金)+障害基礎年金(792,100円)
※18歳の年度末までの子または20歳未満の一定の障害状態の子がいる場合は、該当する子が1人のときは227,900円、2人のときは455,800円、3人のときは531,700円が加算されます。
※65歳未満の配偶者がいる場合は、原則227,900円が加算されます。
障害等級第3級 → 
障害厚生年金障害共済年金

障害厚生年金や障害共済年金の支給額の計算方法は、その方の平均標準報酬月額(平成15年4月以降の期間については平均標準報酬額、つまり賞与も含めて判断)を用いて計算し、過去の標準報酬月額を現代の価値に置き換えて計算します。また、年金はその時代に適した支給額になることが望まれるため、原則毎年度、改定されます。

障害厚生年金・障害共済年金の額=(イ+ロ)×1.031×0.985
 イ. 平均標準報酬月額×0.75%×平成15年3月までの月数
 ロ. 平均標準報酬額×0.5769%×平成15年4月以降の月数
※厚生年金加入月数が併せて300月に満たない場合は300月として計算します。
※障害等級第1級の方は上記計算式で算出された額の1.25倍が支給されます。
※障害共済年金の場合、「職域加算」として障害厚生年金より高額になるケースがほとんどです。

(例)平成14年の一般企業在職中に初診日があり、厚生年金加入期間が120月、平均標準報酬月額が20万円で、30歳の妻と5歳の子が1人いる方が障害等級第1級と認定された場合の障害年金額。
                        ↓
障害基礎年金
→990,100円+子の加算額の227,900円=1,218,000円
障害厚生年金
→20万円×0.75%×300月×1.031×0.985×1.25≒571,238円+配偶者加給年金額の227,900≒799,100円
この方の障害年金額→1,218,000円+799,100円≒2,017,100円



Q8 遺族年金の受給資格

A8 亡くなった方についての要件と遺族の方についての要件があります。

老齢年金や障害年金は、原則的に年金保険料さえ支払っていれば支給される年金です。しかし、遺族年金は亡くなった方がどれだけ年金保険料を納めていても、遺族の方に支給されないケースがあります。遺族年金の種類と、支給対象の遺族の方は以下の通りになります。

国民年金のみ加入の方の死亡
→子供のいる妻またはその子供に対して
遺族基礎年金が支給されます。
厚生年金加入の方の死亡
→妻または年齢要件のある夫や子供、父母、孫、祖父母のいずれかに対して
遺族厚生年金が支給されます。
共済年金加入の方の死亡
→妻または年齢要件のある夫や子供、父母、孫、祖父母のいずれかに対して
遺族共済年金が支給されます。

※厚生年金(または共済年金)加入の方の死亡で、妻に子供がいる場合は
遺族基礎年金も併せて支給されます。
※子供や孫はすべて18歳の年度末までの子または20歳未満の一定の障害状態の子のことをいい、夫や父母、祖父母は55歳以上であることが要件となり、実際の支給は60歳からとなります。

亡くなった方についての要件は以下の通りになります。

遺族基礎年金の受給要件
①次のいずれかの方の死亡であること
 ・国民年金の被保険者の方
 ・日本に住む60歳~65歳未満の方
 ・老齢基礎年金を受給している方
 ・老齢基礎年金の受給資格(保険料納付済期間等25年以上)を満たしている方
②亡くなった方が保険料納付要件を満たしていること
 加入義務期間の内、3分の1以上保険料未納期間がないこと
 または死亡日以前1年間に保険料未納期間がないこと。

遺族厚生年金遺族共済年金の資格要件
①次のいずれかの方の死亡であること
 ・厚生年金または共済年金に加入している方
 ・加入期間中に初診日があり、初診日から5年以内に亡くなった方
 ・障害等級1級または第2級の障害厚生年金(障害共済年金)を受給している方
 ・老齢厚生年金を受給している方(注)
 ・老齢厚生年金の受給資格(保険料納付済期間等25年以上)を満たしている方(注)
※(注)のつく方の遺族厚生年金(遺族共済年金)は、年金額の計算方法が変わります。
②亡くなった方が保険料納付要件を満たしていること
 加入義務期間の内、3分の1以上保険料未納期間がないこと、
 または死亡日以前1年間に保険料未納期間がないこと。

例①自営業を営む夫が亡くなった場合
<18歳年度末までの子供のいる妻>
遺族基礎年金が支給されます。
<18歳年度末までの子供のいない妻>
→遺族年金は支給されません(一時金が支給される場合があります)。

例②サラリーマンの夫が亡くなった場合
<18歳年度末までの子供のいる妻>
遺族基礎年金遺族厚生年金が支給されます。
<18歳年度末までの子供のいない妻>
遺族厚生年金が支給されます。
※子供のいない30歳未満の妻には、遺族厚生年金は5年間しか支給されません。

例③OLの妻が亡くなった場合
<55歳以上の夫>
→60歳から
遺族厚生年金が支給されます(自身の老齢年金等との選択となります)。
<55歳未満の夫>
→遺族年金は支給されません。

例④サラリーマンの息子が亡くなった場合
<55歳以上の父母>
→60歳から
遺族厚生年金が支給されます(自身の老齢年金等との選択となります)。
<55歳未満の父母>
→遺族年金は支給されません。



Q9 遺族年金の支給額

A9 死亡した方が加入していた年金制度や子供の数などによって変わります。

亡くなった方が国民年金のみに加入(自営業者など)していた場合、遺族基礎年金の受給資格があるのは、子供(18歳年度末までの子供か、20歳未満で一定の障害状態の子供)のいる妻です。亡くなった方(つまり夫)が、国民年金保険料の納付要件を満たしていれば、妻に遺族基礎年金(792,100円)+子の加算額(227,900円)が支給されます。ただし、子供が18歳の年度末を超えたら、遺族基礎年金の支給はなくなります。

(例)国民年金保険料を25年間支払った夫が、妻と10歳の子供1人を残して亡くなった場合。
                        ↓
<子供が18歳の最初の3月31日を迎えるまで>
遺族基礎年金として792,100円+227,900円=1,020,000円を受給
<上記以降~妻が59歳までの間>
→支給なし
<妻が60歳~64歳までの間>
寡婦年金(夫が受け取る予定だった老齢基礎年金の4分の3=445,600円)を受給
<妻が65歳以降>
→自身の老齢基礎年金を受給

厚生年金加入期間中や共済年金加入期間中に亡くなった場合、一定の遺族の方に
遺族厚生年金遺族共済年金が支給されます。また、厚生年金加入期間中や共済年金加入期間中でなくても、それら加入期間中に初診日があって、初診日以降5年以内に亡くなった場合や、障害等級第1級・第2級に該当し、障害厚生年金(障害共済年金)を受給している方が亡くなった場合にも、遺族厚生年金か遺族共済年金が支給されます。

遺族厚生年金・遺族共済年金の額==(イ+ロ)×1.031×0.985×4分の3
 イ. 平均標準報酬月額×0.75%×平成15年3月までの月数
 ロ. 平均標準報酬額×0.5769%×平成15年4月以降の月数
※厚生年金加入月数が併せて300月に満たない場合は300月として計算します。
※遺族共済年金の場合、「職域加算」として遺族厚生年金より高額になるケースがほとんどです。

(例)平成14年の一般企業在職中に亡くなった方で、厚生年金加入期間が240月、平均標準報酬月額が30万円で、40歳の妻と10歳の子が残された場合の妻に支給される遺族年金額。
                        ↓
<子供が18歳の最初の3月31日を迎えるまで>
遺族基礎年金として792,100円+227,900円=1,020,000円を受給
遺族厚生年金として30万円×0.75%×300月×1.031×0.985×4分の3≒514,100円を受給
この方の遺族年金額・・1,020,000円+514,100円=1,534,100円
<上記以降~妻が64歳までの期間>
遺族厚生年金として514,100円を受給
「中高齢寡婦加算」として594,200円を受給
この方の遺族年金額・・514,100円+594,200円=1,108,300円
<妻が65歳以降>
遺族厚生年金として514,100円を受給
自身の老齢基礎年金を受給
この方の遺族年金額・・514,100円+老齢基礎年金額
※自身の老齢基礎年金が「中高齢寡婦加算」額の594,200円を下回る場合は差額が支給されます。

遺族年金のすべては、残された遺族(通常、妻)が再婚した場合等は失権となり、受給資格を失います。



Q10 離婚時の年金分割って?

A10 「合意分割」と「3号分割」の2種類があります。

まず、どちらの制度も厚生年金にかかわる制度だということを念頭に入れておいてください。つまり、厚生年金に加入したことのない自営業者の夫とその妻については、今回の離婚時の年金分割制度には該当しません。では、老齢厚生年金を分割するというこの制度は、どのような趣旨があるのでしょうか。

平成19年4月から始まった離婚時分割制度のことを通称
「合意分割」といいます。例えば、熟年時に離婚したとしても、夫の方は自身の老齢基礎年金+老齢厚生年金の受給があるため、ある程度の年金額は保障されています。ただ、妻の方は、結婚していた間ずっと専業主婦だったら、受給できる年金額は、自身の老齢基礎年金と生年月日によって支給される振替加算のみです。計算上、妻の老齢年金額よりも夫の老齢年金額の方が、2~3倍高くなるのが通常です。「合意分割」とは、離婚時に貯蓄金などの財産を夫婦で分割するように、話し合いによって夫婦の老齢厚生年金額も分割しよう、というものです。夫婦間で意見がまとまらない場合は、家庭裁判所が判断します。また、「合意分割」は平成19年4月以降の離婚について適用されますが、それ以前の結婚期間についても、分割の対象となります。

次に、平成20年4月から始まった離婚分割制度ですが、通称
「3号分割」といいます。サラリーマンの方などは厚生年金加入者であると同時に国民年金の第2号被保険者でもあるわけですが、その第2号被保険者の被扶養配偶者のことを第3号被保険者といいます。「3号分割」とは、配偶者(妻)が第3号被保険者であった期間について、請求さえすれば自動的に、第2号被保険者(夫)が受給する老齢厚生年金額の半分がもらえるようになる、という離婚分割制度です。上記の「合意分割」は、夫婦の話し合いや家庭裁判所の判断が必要でしたが、「3号分割」は妻の請求のみで当然に分割されます。ただし、平成20年4月以降の離婚で、なおかつ、分割対象となるのは平成20年4月以降の第3号被保険者期間に限られるため、実際に制度が利用されるのは先のことと思われます。




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