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いわゆる失業保険など、雇用保険に関する給付が受けられるのは、当然のことながら雇用保険に加入している方(または加入していた方)のみです。
雇用保険の加入者(被保険者)の種類は、一般被保険者、高年齢継続被保険者、短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者の4つに分けられます。一般被保険者とは、31日以上その職場で働くことが見込まれる65歳未満の被保険者のことをいいます。

ちなみに、1週間の労働時間が20時間未満の方は、原則として雇用保険の被保険者とはなりません。1週間の労働時間については、入社時の労働契約や就業規則などで判断します。

このページでは、上記被保険者のうち、一般被保険者についての説明をしていきたいと思います。



Q1 失業保険は誰でももらえる?

A1 一定の要件が必要です。

いわゆる失業保険とは、法令上「基本手当」とよばれるもので、その基本手当は雇用保険に一定期間加入していないと支給されません。一般被保険者の場合、原則として退職日以前2年間に被保険者期間が12ヶ月以上あることが要件となります。在職中に月給制だった場合は、12ヶ月間継続勤務していれば通常、受給資格が得られます。ただし、時給制や日給制などの場合、あるいは月給制でも病気などで長期休職していた場合は、被保険者期間としてカウントされない月が発生することもあります。  


月給制 ⇒ 2年以内に12回以上給料日を迎えたら通常受給可能
時給制・日給制 ⇒ 11日以上勤務した月が2年以内に12回以上あれば受給可能


受給資格についての原則的な考え方は上記の通りです。ただ、入社日がちょうど12ヶ月前の場合は退職日の日にちによって、必ずしも12ヶ月=受給資格とはならないこともありますのでご注意下さい。
※倒産や解雇等により離職される方の要件は「被保険者期間→6ヶ月以上」となります。



Q2 失業保険をもらうには?

A2 以下の手続が必要です。

退職することが決まったら、まず会社に、離職票の作成を依頼してください。この離職票がないと、退職者が退職後に職業安定所へ行っても、失業保険(基本手当)の受給の手続をすることができません。離職票と雇用保険被保険者証、身分証明、印鑑、写真2枚、銀行の預金通帳を持って、職業安定所に求職の申込みをしに行きます。あとは、職安の説明に従って、受給についての説明会を経て、指定された失業認定日に、説明会当日に渡される受給資格者証と失業認定申告書を持参し、失業の認定を受ければ、数日後に指定した銀行に失業保険(基本手当)が振り込まれます。失業保険(基本手当)は1日単位で失業状態かどうかの判断が下され、通常、失業認定日は28日ごとに指定されます。つまり、28日間、失業状態にあると認定されれば、28日分の失業保険(基本手当)がまとめて支給されます。



Q3 失業保険はいつまでもらえる?

A3 原則1年以内に与えられた日数分支給されます。

まず、失業保険(基本手当)の受給ができる期間(実際に給付を受ける日数ではなく、要は受給者として権利のある期間)は、原則、退職日の翌日から1年間です(一部の受給資格者の方を除きます)。妊娠や出産、育児、または病気等で再就職することができない状況のときは、申請により延長されますが、基本的にはこの1年間のうちに、与えられた日数分の失業保険(基本手当)を受給しなければならず、1年を超えてしまうと、受給できる失業保険(基本手当)が残っていても給付は打ち切られます。

(例)
3月31日に、15年間勤めた会社を、人員整理により解雇されたAさん(45歳)が、4月~7月まで求人情報誌で再就職先を探すも見つからず、8月1日になって初めて、職業安定所へ求職の申込みをしに行った場合。

                        ↓

まず、8月1日から8月7日の7日間については「待機期間」とされ、給付は行われません。そして、次の段落で詳しく述べますが、Aさんに与えられる失業保険(基本手当)の給付日数は270日分になります。Aさんには8月8日から失業保険(基本手当)が支給されるわけですが、受給者として権利のある期間(次の3月31日まで)は残り236日しかありません。Aさんは、次の3月31日までずっと失業状態にあったとしても、与えられた給付日数を34日分残したまま、受給資格を失うことになります。

失業保険(基本手当)の給付を受けるためには、退職後、早急に職業安定所へ行き、求職の申込みをすることが大切です。特に、退職理由が自己都合によるものの場合は、7日間の「待機期間」の後、3ヶ月の「給付制限期間」がかかりますから尚更のことです。

次に、実際に失業保険(基本手当)の給付を受けることができる日数(以下、
「所定給付日数」といいます)についてですが、その方の年齢・被保険者だった期間・退職理由などによって変わってきます。


自己都合による退職定年退職等の場合 (②・③に該当しない場合)

被保険者期間 退職時の年齢
全年齢
20年以上 150日分
10年~20年未満 120日分
10年未満 90日分


障害者等の就職困難者の場合

被保険者期間 退職時の年齢
45歳~64歳 44歳以下
1年以上 360日分 300日分
1年未満 150日分 150日分

会社都合による解雇等の場合
被保険者期間 退職時の年齢
60歳~64歳 45歳~59歳 35歳~44歳 30歳~34歳 29歳以下
20年以上 240日分 330日分 270日分 240日分
10年~20年未満 210日分 270日分 240日分 210日分 180日分
5年~10年未満 180日分 240日分 180日分 180日分 120日分
1年~5年未満 150日分 180日分 90日分 90日分 90日分
1年未満 90日分 90日分 90日分 90日分 90日分


※一定の方については上記日数に60日(または30日)が加算されます。

「被保険者期間」とは、通常、勤続年数のことをいいます。休職中で給料の支払いを受けない期間があったとしても、被保険者期間に通算されます。



Q4 失業保険はいくらもらえる?

A4 働いていたときの給料や年齢を基準に給付額が決まります。

失業保険(基本手当)の日額は、働いていたときの給料とその方の年齢によって変わってきます。最終的な「失業保険の日額」については、以下の方法により、職業安定所が決定します。

①働いていたときの1日の給料単価を算出します。

 退職日以前6ヶ月間の給料の総額(賞与は除く)÷180=1日の給料単価

※時給制や日給制だった場合は、上記の計算式で算出された単価と、6ヶ月間の給料総額(賞与は除く)÷6ヶ月間に実際に働いた日数×70%、のどちらか高い方を採用します。

②失業保険(基本手当)の日額が決定されます。
 退職日における年齢が60歳未満の方 ・・・1日の給料単価×50%~80%
 退職日における年齢が60歳~64歳の方・・・
1日の給料単価×45%~80%

※パーセンテージの範囲が広いのは、1日の給料単価が高い人には給付率を低く、1日の給料単価が低い人には給付率を高くするためです。

③失業保険(基本手当)の日額と年齢階層別の最高限度額とを比較します。
失業保険(基本手当)の日額は①②により決定されますが、あまりに高額な給付がないように、各年齢ごとに
最高限度額が設定されています。例えば、55歳で1日の給料単価が20,000円(月給およそ60万円)の方が失業した場合、②の計算(給付率は50%)により、失業保険(基本手当)の日額は10,000円となります。しかし、55歳の方の最高限度額は、下記の通り7,890円なので、その方の失業保険(基本手当)の日額は7,890円となります。


30歳未満の方の最高限度額         ・・・  6,455円
30歳以上45歳未満の方の最高限度額  ・・・  7,170円
45歳以上60歳未満の方の最高限度額  ・・・  7,890円
60歳以上65歳未満の方の最高限度額  ・・・  6,777円


最低限度額については、全年齢共通で、1,864円となります。
※最高限度額・最低限度額ともに、平成23年8月1日改正の数字です。

以上によって、決定された失業保険(基本手当)の日額が、所定給付日数分、支給されるわけですが、失業状態にあるかどうかの認定は、1日単位で行われるため、例えば、数日間の短期アルバイトを行った場合などは、その期間分の失業保険(基本手当)は支給されません(別の名目で給付が行われることがあります。Q5参照)。 また、アルバイトとはいわないまでも、知人の手伝いや、内職などで収入を得た場合は、失業保険(基本手当)が減額して支給されることもあります。



Q5 失業保険受給中に、短期のアルバイトをしたら?

A5 その日についての失業保険は支給されませんが別の名目で手当が支給されます。

失業保険(基本手当)は、受給資格者が失業している日について支給されます。失業保険(基本手当)は1日単位での支給なので、失業しているかどうかの認定も1日単位で行われます。つまり、失業保険(基本手当)の受給中に、1日でもアルバイトをして収入を得たなら、その1日については失業状態ではないわけで、失業保険(基本手当)は支給されません。ただし、別の名目で手当(以下、「就業手当」といいます)が支給されます。

●就業手当の受給要件
①失業保険(基本手当)の支給を受けられる残日数が45日以上あって、かつ、所定給付日数の3分の1以上あること
②退職したときの会社でのアルバイトではないこと
③職業安定所に求職の申込みをする前に、その職場でアルバイトをすることを約束していないこと
④7日の「待機期間」が終了していること
⑤自己都合による退職をした方で、3ヶ月の「給付制限」の期間中のアルバイトの場合、最初の1ヶ月については、職業安定所等の紹介によるアルバイトであること

就業手当の額は、就業1日につき、
失業保険(基本手当)の日額の30%です。ただし、就業手当の額にも最高限度額が設定されていて、60歳未満の方の場合は1,765円、60歳以上65歳未満の方の場合は1,431円が支給上限となります。
※平成23年8月1日改正の数字です。

就業手当の支給を受けたら、その日数分失業保険(基本手当)の支給を受けたものとみなされ、失業保険(基本手当)の支給残日数がマイナスされます。



Q6 失業保険受給中に、再就職先が決まったら?

A6 失業保険の支給は終了しますが別の名目で手当が支給されます。

失業保険(基本手当)受給中に再就職先が決まったら、当然のごとく、失業保険(基本手当)の支給は終了します。ただし、別の名目で手当(以下、「再就職手当」といいます)が支給されます。

●再就職手当の受給要件
①失業保険(基本手当)の支給を受けられる残日数が所定給付日数の3分の1以上あること
②1年を超えて雇用されることが確実な再就職であること
③退職したときの会社での再就職ではないこと
④職業安定所に求職の申込みをする前に、その職場で再就職することを約束していないこと
⑤7日の「待機期間」が終了していること
⑥自己都合による退職をした方で、3ヶ月の「給付制限」の期間中の再就職の場合、最初の1ヶ月については、職業安定所等の紹介による再就職であること
⑦原則として、再就職先で雇用保険に加入したこと

再就職手当の額は、以下のとおりとなります。
支給残日数が3分の2以上・・・
失業保険(基本手当)の日額×支給残日数×60%
支給残日数が3分の2未満
・・・失業保険(基本手当)の日額×支給残日数×50%
例えば、失業保険(基本手当)の日額が4,000円の方が、残り60日分(所定給付日数の3分の2以上)の失業保険(基本手当)の支給を残して再就職した場合、4,000円×60日分×60%=144,000円が一括で支給されます。ただし、再就職手当の支給額を算定する際の失業保険(基本手当)の日額には最高限度額が設定されていて、60歳未満の方は5,885円、60歳以上65歳未満の方は4,770円が上限となります。
※平成23年8月1日改正の数字です。
これによって、例えば、失業保険(基本手当)の日額が6,200円の60歳未満の方が、残り60日分(所定給付日数の3分の2以上)の失業保険(基本手当)の支給を残して再就職した場合、6,200円×60日分×60%=223,200円ではなく、5,885円×60日分×60%=211,860円となります。

再就職手当の支給を受けたら、失業保険(基本手当)の支給を受けたとみなされ、従前の失業保険の支給は終了します。再就職先において、新たな受給資格を得た上で退職した場合は、新たな受給資格に基づいた失業保険(基本手当)が支給されます。






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